親に「歯列矯正させてもらえなかった」のは親ガチャなのか?

歯並びは、人の第一印象を決める大事な要素の一つです。

とあるアンケート調査では「歯並びは第一印象を左右するか」という質問に、「左右する」と回答した人が7割以上という結果に。

そんな歯並びに関する話題について、以前Xでこのような投稿がバズっていました。

この投稿は、自分の子どもと娯楽を比較されていることを「親ガチャ」と形容したことによって、さまざまな議論を呼びました。

一方で歯列矯正は自由診療のため、高額となるケースが多く、親が歯列矯正に対して後ろ向きなケースもあります。

この記事では、歯列矯正に対する意見を整理しながら、歯列矯正と親ガチャの関係性について具体的に深ぼってみます。


歯列矯正できなかったのは「親ガチャ失敗」なのか?

まず、「矯正してもらえなかった=親ガチャ外れ」と単純に言い切れるのか、いくつかのポイントを整理してみます。

歯並びは遺伝によるものなのか?

悩みの一番の根源である歯並びですが、そもそもなぜ歯並びが悪くなるのでしょうか。

遺伝的な要素は3割程度で、残りの7割は生活習慣によるものと言われています。

歯並び自体が直接遺伝するわけではありませんが、顎の骨の形や、歯の質・大きさが組み合わさって歯並びに影響を与えています。

一方で生活習慣は、日頃の食生活や口呼吸・指しゃぶりなどの習慣が歯並びに影響を与えています。

生活習慣は後天的であるものの、幼少の頃は親の教育方針による影響を強く受けるため、気付いたときには歯並びが気になる状況になってしまっているケースもあることは否めません。

矯正費用の相場はどのくらい?

子どもの歯列矯正の費用相場は施術内容に幅があるため、安くても30万、高いと100万円以上と言われています。

矯正の種類費用相場
床矯正(小児向け)30〜50万円
ワイヤー矯正(表側)60〜100万円
裏側矯正・マウスピース矯正80〜150万円

これに加えて、毎月の調整費用などがかかる場合もあります。保険適用外の自費診療なので、家計にとって大きな負担となることは否めません。

「払えなかった」と「払わなかった」の違い

次に費用の観点に注目してみます。

親が矯正費用を出さなかった理由には、大きく分けて2つのパターンが想定できます。

  • 払えなかった:本当に経済的に厳しく、出したくても出せなかった
  • 払わなかった:お金はあったが、歯並びの重要性を理解していなかった/優先順位が低かった

歯並びはコンプレックスを感じやすく、親の経済的な要素や歯並びに対する理解の乏しさが原因で改善を見込めないとなると、親ガチャに失敗したと受け止めてしまうケースがあるかもしれません。

同じ境遇の人のリアルな声

今高校生です。中学生の頃から歯並びがコンプレックスで親に歯列矯正をしたいとお願いしていたのですがお金が無いと言われできていません。私の考え方では自分の意思で産んだんだから歯列矯正は親の払うものだと考えています。お金が無いと言いますが両親共にタバコ、母親は定期的な美容院、ネイル、フットネイル、高い化粧品、お菓子で仕事の食べ物はほとんどコンビニなのでお金が無いわけではないと思います。

実家暮らしの学生です。アルバイトで貯めたお金で歯列矯正をしたいのですが、親に反対されました。 学費を全て払ってもらっている上にご飯の用意までしてもらっているので(すねかじりですみません)、そんな身で歯列矯正に使う大金があるなら学費の一部でも払うか勉強に使ったらどうか、と言われました。

矯正をさせてくれない親ってどういった考えなのでしょうか。 お子さんを持つ方から是非意見を聞きたいです。 クラスメイトは親のお金で矯正しているのに、私はさせて貰えません。なんだかとても惨めな気分です。 私の親は、歯並びが綺麗だからか全然私の気持ちを理解してくれません。 将来働いて自分のお金でやれば?というスタンスです。

特に学生は、歯列矯正の費用を親が負担している子を目の当たりにする機会も多く、自身が親の負担で矯正を受けさせてもられないことに対する不満を感じやすいのかもしれません。


親に矯正の必要性を伝えるには?

学生の場合、親に矯正を認めてもらえずに悩んでいるケースが多いです。そこで、親に歯列矯正の必要性を伝えるアプローチ方法について検討してみます。

かなりシンプルですが、伝え方を変えるだけで反応が変わる可能性があります。

というのも、親が矯正に後ろ向きな理由の多くは「見た目の問題でしょ?」という認識にあるからです。

「美容」ではなく「健康」の問題として伝える

親世代には、歯列矯正=美容というイメージを持っている人が少なくありません。

でも実際には、歯並びの悪さは噛み合わせの不具合や虫歯・歯周病のリスク、顎関節症、さらには滑舌への影響など、健康面に直結する問題が大いにあります。

「キレイになりたいから」ではなく、「将来の健康リスクを減らしたいから」という切り口で伝えると、親の受け止め方が変わる可能性があります。

メンタル面の影響も、正直に伝えていい

歯並びが気になって笑えない、写真が苦手、人前で話すのがつらい。

こうした日常の小さな我慢が積み重なり、自己肯定感が下がってしまっている状況は、親には見えていない場合があります。

自分の悩みを打ち明けることに恥ずかしさや恐怖心があるかもしれませんが、自分の素直な気持ちを伝えてみるのも一つの手です。親に「自分の子が実はこんなことに悩んでいた」ということに気づかせることで、向き合い方を見直すきっかけを作ることができるかもしれません。


矯正費用は親と子、どちらが負担すべきなのか?

矯正費用の負担について、それぞれの意見を見てみます。

「親が出すべき」という意見

矯正代は親が出すべきです 歯並びは生まれつきですし親の義務です まして贅沢しといて子供には出せないは通用しません 私は親の立場ですが、長男の受け口を歯科矯正に通わせ80万かけてなおしました

私は子供が歯列矯正したいと言われたら、全額払うかな。 私の周りも親が払って子供に歯列矯正している人が多いです。あとたまたまかも知れませんが親が払っている所は子供より親の方が子供の歯並びなど気にしている方多いです。

「自分で出すべき」という意見

歯の矯正代を出すのも親の役目なの? 気になるなら自分でお金を貯めて矯正するべきだと思うのですが… どこまで親に頼る気でしょう?

養うのは親の義務ですが、歯並びの事は 自分でどうにかするべきでは無いでしょうか? お金を出してあげる余裕ないですし。

両方の意見を取り上げましたが、実際のところ歯列矯正の負担は親の役割だという意見が多いです。

周りに矯正している子がいる中、自分だけ親に反対されていると思うと、親ガチャを感じてしまうのも無理はありません。


歯列矯正を親に理解してもらえない場合は?

次に歯列矯正したくても、親に反対されたり援助を得られない場合はどうしたらいいのかを検討していきます。

大人になってからの矯正は珍しくない

「矯正は子どものうちにやるもの」というイメージがあるかもしれません。

ところが、実は大人になってから自分で矯正治療を選択する方が一定数います。

厚生労働省の患者調査によると、令和5年度の矯正治療を受ける患者のうち約3割が成人というデータがあります。

参考:https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kanja/23/index.html

特に20代〜30代の矯正は年々増加傾向にあり、社会人になってから自分のお金で矯正を始める人は珍しくありません

矯正技術の進化

昔の矯正といえば、銀色のワイヤーが目立つイメージがありました。しかし今は、技術の進化で選択肢が大幅に増えています。

矯正方法特徴
マウスピース矯正(インビザラインなど)透明で目立たない、取り外し可能
裏側矯正(リンガル矯正)歯の裏側に装置をつけるため外から見えない
セラミックブラケット白や透明の装置で目立ちにくい
部分矯正気になる部分だけを短期間で矯正

「矯正してるのがバレたくない」という人でも、周囲に気づかれにくい方法で治療を進められるようになりました。

費用の現実と支払い方法の選択肢

大人の矯正費用は、子どもの頃と大きく変わりません。30万〜100万円以上が相場です。

「そんな大金、すぐには出せない…」という人も多いと思いますが、支払い方法には選択肢があります。

  • デンタルローン:月々1万円〜の分割払いが可能なクリニックも多い
  • クレジットカード分割:一括が難しい場合の選択肢

一括では大きな負担になりますが、ローンを組むことで治療を継続しながら支払いをすることも可能です。


親に頼らず自分で矯正を進めていくための方法

ここからは、実際に大人矯正を始めるための方法について検討していきます。

1:まずは無料相談で現状を知る

多くの矯正歯科では、初回相談を無料で行っています。

お金を払う前にまずは無料カウンセリングを受けて、自分の歯並びの状態と、どんな治療が必要なのかを知ることから始めるのがおすすめです。

  • 自分の歯並びは矯正でどこまで改善できるのか
  • どの矯正方法が自分に合っているか
  • 費用と治療期間の目安

さらにこれらを複数のクリニックで聞いてみることで、比較検討ができます。

2:費用を計画的に準備する

無料相談で費用の目安が分かったら、いつまでにいくら貯めるかを逆算して計画を立てましょう。

例えば、80万円の矯正を2年後に始めたい場合:

  • 頭金30万円+ローン50万円(月1万円×50回)
  • 2年間で30万円を貯める → 月12,500円の積立

「矯正貯金」として毎月コツコツ積み立てていけば、決して不可能な金額ではありません。

また無料相談で、具体的な支払いシミュレーションを行いながら、自分に合う方法を探してみてください。

3:矯正以外の選択肢も知っておく

「フル矯正は費用的にも期間的にも厳しい」という場合、以下の選択肢もあります。

  • 部分矯正:前歯だけなど気になる箇所のみを矯正。費用10〜40万円、期間3ヶ月〜1年程度
  • セラミック矯正:歯を削ってセラミックの被せ物をする方法。短期間で見た目を改善できるが、健康な歯を削るデメリットあり

どの方法が自分に合っているかは、歯科医師と相談して決めるのがベストです。


親ガチャを嘆くだけで終わらせない

親に歯列矯正させてもらえなかったことを「親ガチャに外れた」と感じる気持ちも無理はありません。

これまで、親に歯列矯正させてもらえなかったことを親ガチャのハズレだと感じてしまう瞬間があったかもしれません。笑うときに口元を隠したり、写真を避けたり、日常の中で小さな我慢を積み重ねてきた人も多いのではないでしょうか。

ただ、今は大人になってからの歯科矯正も一般的になってきています。

目立たない矯正方法や分割払いなど、以前よりもハードルは確実に下がっています。まずは無料相談で自分の状態を知るだけでも、「嘆くだけ」の状態から一歩踏み出すきっかけになるかもしれません。

大切なのは、親ガチャに失敗したという感情を否定することではなく、そこから自分の意志で動き出すことです。過去は変えられなくても、これからの選択は自分で決められます。